コラム

 公開日: 2017-11-09 

H30年1月1日以後の手続き 保険契約者の名義変更と課税関係

現行法では、生命保険契約の契約者の名義を変更しただけでは、新たに契約者になった者に対する贈与の課税はありません。
具体的には、「甲」契約者でかつ保険料負担者、「乙」被保険者、「丙」保険金受取人の場合で、その後、甲から丙に契約者の名義を変更し、丙が保険料を負担することになったとしても、名義変更時までに、甲が負担していた保険料相当額については、丙への贈与にはならないということです。

◆名義変更後の課税の取扱いと問題点
上記例において、①丙への名義変更後、甲死亡前に保険の満期を迎えると、当該満期保険金は丙が受け取ります。この場合の丙の課税は、丙自身が負担した保険料相当額に対応する保険金部分は一時所得としての課税を受け、甲が負担した保険料相当額に対応する保険金は甲から贈与により取得したものとして贈与税の課税を受けます。
また、②名義変更後、甲の死亡前に被保険者乙が死亡すると、当該死亡保険金は丙が受取ります。この場合の丙の課税は、死亡保険金の内、丙が負担した保険料相当額に対応する保険金は一時所得としての課税を受け、甲が負担した保険料相当額に対応する保険金は甲から贈与により取得したものとして、贈与税の課税を受けます。
なお、③名義変更(甲から丙)が甲の死亡によってなされた場合には、丙は生命保険契約に関する権利を相続等により取得したことになり、甲の本来の相続財産として相続税の課税対象になります。
以上が保険契約の名義変更に関する課税の取扱いです。しかし、実際の申告では、名義変更に関する資料が十分に整備されていないこともあってか、受取保険金のすべてが一時所得として申告されていた等、法が予定していた申告が行われていない事例が散見されたようです。

◆平成30年1月1日以後の取扱い
現行法では、保険会社から税務署に提出される情報(支払調書)には、名義変更に関する情報、元の契約者の払込保険料に関する情報はありません。
そこで、平成27年度の税制改正で平成30年1月1日以後、保険金等の支払があった場合、または契約者が死亡し名義変更があった場合には、保険会社は上記情報を税務署に提出することを義務付けられました。
今一度、保険関係の書類を確認し、今後の対応を考えてはどうかと思います。

法人、個人のお客様の税務や会計に関するご相談。相続、贈与に関するご相談などにも応じます。
お気軽にお問い合わせください。

TEL:019-635-0563  受付時間 : 9:00 ~ 17:00 (土・日・祝日を除く)
URL:http://www.kaikei-home.com/tax110/

この記事を書いたプロ

伊藤輝代税理士事務所 [ホームページ]

税理士 伊藤惠悦

岩手県盛岡市本宮二丁目4番24号 [地図]
TEL:019-635-0563

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
 
このプロの紹介記事
お客様との信頼関係を大事にされている伊藤さん

お客様一人ひとりの将来を見据えた税務のサポート(1/3)

開業してから今年でちょうど50年の「伊藤輝代税理士事務所」。伊藤惠悦さんは、所長であり父である伊藤輝代さんと共に、親子2代にわたり税理士として勤めています。「これだけ長く続けることができたのは、お客様の話をよく聞いて、妥協せず、一緒に解決...

伊藤惠悦プロに相談してみよう!

IBC岩手放送 マイベストプロ

昭和42年開業の実績を礎に、顧客ニーズに対応した支援が強み

会社名 : 伊藤輝代税理士事務所
住所 : 岩手県盛岡市本宮二丁目4番24号 [地図]
TEL : 019-635-0563

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

019-635-0563

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

伊藤惠悦(いとうけいえつ)

伊藤輝代税理士事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
配偶者のみ相続の場合の税負担額

相続税では配偶者に対する税額軽減措置があります。被相続人の配偶者が取得した相続財産の課税価格が1億6千万円...

[ 相続税・贈与税 ]

名義財産とは何か?

名義財産という言葉を聞きます。現実の社会では、色々な実情で他人名義で財産を取得したり、他人の名義に変更する...

[ 相続税・贈与税 ]

暦年贈与サポートサービスなら暦年贈与課税なし

国税庁の「贈与税がかかる場合」というタイトルのタックスアンサーで、「毎年100万円ずつ10年間にわたって贈...

[ 相続税・贈与税 ]

相続税・贈与税の基礎知識(相続税の計算方法)

平成25年度税制改正によって、小規模宅地等の特例の見直し等一定の措置を講じたうえで、基礎控除額の引下げや最...

[ 相続税・贈与税 ]

消費税の軽減税率制度に関するQ&Aを更新!

国税庁は、国税庁ホームページ上に掲載している「消費税の軽減税率制度に関するQ&A(制度概要編、個別事例編)...

[ その他 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ