コラム

 公開日: 2016-06-08 

光熱費ゼロ?ゼロエネルギー住宅の実態は

4月にJIJICOに公開されたものです。

概要

東日本大震災以降、国民の省エネへの関心は高まっています。その流れを受けてゼロエネルギー住宅がどんどん普及しています。光熱費負担がゼロ円とも言われているゼロエネルギー住宅の実態を専門家が解説。

ゼロエネルーギー住宅の定義は場所によって変わる

まず初めに「ゼロエネルギー住宅」以下「ZEH」の住宅の基本的な定義をお話しさせていただきます。
「省エネ法に基づいた建築・設備によって減少したエネルギー消費量と創エネによって作り出されたエネルギーの合計が、その建物で消費される標準のエネルギー消費量と等しいか多い」
と定義されています。要は消費するエネルギーより、作り出すエネルギーが勝っていればZEHですと、漠然とした定義づけがされています。なぜ漠然かというと、住宅を建てる場所によって建物の断熱基準などが違うからです。例えば東京でZEHの建物を私が住む花巻市にそのまま建てると基準をクリアできないからです。当然、寒い地域では暖房で消費されるエネルギーが大きく太陽光発電などの設備も大きくなります。北に行くほど断熱性能と創エネ量を上げていかなければならないからです。
エネルギー消費量は照明、給湯、冷暖房、24時間換気(国が定める一般的な消費量)にかかるエネルギーを算出し太陽光発電で作り出せるエネルギー(地域ごとに基準あり)が等しいか、それ以上になることが条件ですが、一般家電品のテレビ、冷蔵庫、洗濯機などの使用エネルギーは含まれていませんので、実際に住まう場合必ずエネルギー収支が0以上になるわけではありません。

国の描くロードマップでも普及を後押し

ZEHの良い面は今のエネルギー単価では光熱費収支もゼロ以上になる可能性が大きいことです。創エネ設備として国が定めている太陽光ですが、国の想定発電量よりも実際の発電量の方が多いので、大量にエネルギーを使う生活でなければ、収支は黒字となります。地球環境に貢献し、国のエネルギー事情に貢献し、しかも光熱費が実質かからないのは非常に魅力的なことではないでしょうか?又、国の誘導目標として2020年新築住宅の50%をZEHにしたいというロードマップも色々な処から提示されています。4年後に自分の住宅を陳腐化させたくないのであれば検討の価値があると思います。

建物の断熱性能と太陽光発電設備のバランスが重要

 ZEHを検討する上で気を付けることは、建物の断熱性能と太陽光発電設備等のバランスです。北東北地域では、断熱性能をクリアしても太陽光発電設備の設置場所が確保できず、計画を断念したとの話も聞いたことがあります。住宅の断熱性能をさらに上げればクリアできたようですが、断熱性能を上げるための予算アップを吸収できず断念したとのこと。逆に太陽光発電の設置スペースがあったとしても太陽光発電の設備資金が増加するので同じ結果になる可能性があります。
 北東北地区で40坪の総2階建てであれば、屋根にのる太陽光発電は良くて5kW程度ですので、使用する住宅設備にもよりますが、住宅の断熱性能でQ値1.0W/㎡K以下程度の断熱性能が必要となります。もしくは屋根の形状の検討や、カーポートへの太陽光発電設置など太陽光発電設備を大きくできる計画を検討すると良いと思われます。北東北では大手ハウスメーカー様を除くと基準を理解している業者もすくなく、建築コストの増加もあり、暖かい地域と比べると、増えてはいないのと思われます。

エネルギーのない日本を支えるゼロエネルギー住宅

 このようにランニングコストは低減できますが、イニシャルコストは省エネ基準をクリアした住宅を建てるより大きくなってしまいます。又、建設地域(市町村単位)で太陽光発電設備の必要量が変わってきますので、制度内容をよく理解した業者に依頼することをお勧めします。
 最後に個人的な意見ではありますが、快適な生活を送るためにはエネルギーは切っても切り離せないものであり快適に暮らすためのエネルギーを住宅が作ってくれるのであれば、住む人ばかりではなくエネルギーのない日本経済をも底上げする可能性を秘めているのではないかと思っています。

この記事を書いたプロ

株式会社 拓三建設 [ホームページ]

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