コラム

 公開日: 2014-05-27  最終更新日: 2018-03-09

江戸小紋は江戸庶民の心意気で発達した。

 江戸時代に、参勤交代制度が確立し、各藩の武士が江戸に集まり、江戸城にも登城するようになりました。殿中では、何々藩の何某とわかるように、裃に各藩のお印の文様と家紋を染めた裃の着用が義務付けられました。背と胸の大きな家紋に対して、小さな紋ということで小紋と呼ばれるようになりました。

 
 やがて、江戸幕府が友禅や絞りなどの着物を奢侈禁止令で取り締まるようになり、江戸庶民は、隠れたところに贅を尽くしたおしゃれを楽しみようになりました。
 長襦袢や羽裏に凝り、そして、遠目には無地に見える極小柄の江戸小紋を着物や羽織に用いたのです。

 
 江戸小紋の染め方は、文様を彫った型紙を使い、糊を型置きし、その上から地色を染めます。洗うと糊型置きの部分が白い点々になります。
 型紙は、伊勢の白子(三重県鈴鹿市)で作られますが、楮(こうぞ)の和紙を3、4枚、柿渋で貼り合わせ、10年以上も寝かせて、初めて型彫りされます。糊の型置きは、40~100回以上も型紙を移動し、柄がピッタリ合うように置かなければなりません。

 
 1反の着物を染めるのに使われる時間と労力の、なんと贅沢なことでしょう。時間に追われる現代人に、ぜひ、着てもらいたい江戸小紋の着物や羽織ですね。
 「あら、ステキな色無地ね。」と思わせておいて、「ほら、よく見て、これ、じつは〇〇文様の江戸小紋なのよ。」なんて、考えるだけで楽しいですよ。

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