コラム

 公開日: 2014-05-01  最終更新日: 2015-08-27

留袖はご主人の名代としての着物です。

 留袖とは、現代では五つ紋の付いた黒の裾模様の着物、または、五つ、三つ、一つ紋の付いた色裾模様の着物をさします。


 前回、振袖は、結婚すると袖を振る必要がないので留袖(とめ袖)となると述べました。
 留袖は、本来、詰め袖と言われ、袖を詰めて、振りと身八つ口のない袖付けの着物のことで、「結婚した女性は身持ちを固く」と脇を詰めていたのです。そして、結婚した女性は家にしっかり根を張るとということから、留めるという意味で留袖となりました。


 古くより、日本人の最高の礼服は、黒無地の五つ紋、すなわち黒紋付きでした。しかし、ハレの席では色裾模様(現代の色留)が多かったようです。


 五つ紋黒紋付きに裾模様が付くようになったのは、江戸末期に芸者衆が着始めて流行したといわれています。これが、留袖を江戸褄と呼ぶいわれです。


 黒留袖、色留袖、どちらも五つ紋なら、同格です。(ただし、宮中では黒は禁色ので、必ず色留袖の着用です。)しかし、母親、おば、仲人として出席する結婚式では、黒留袖がふさわしいと思います。なぜなら、五つ紋黒紋付きは最高の礼服であり、出席される方がどんな装いでも礼を失することがないからです。


 最近では、貸衣装で済ますという方も多いようですが、家を、家族を代表してお召しになるのが五つ紋の着物ですので、自分の家の家紋を付けた黒留袖がふさわしいと思います。そういう意味では、ご主人に胸を張って「買ってちょうだい!」といえる着物です。

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