コラム

 公開日: 2016-09-28 

『源氏香』の文様にはこんな意味が込められています。

 私の好きな文様の一つに「源氏香」があります。



 その芸術性、デザイン性の高さから、古くより着物や帯の文様(柄模様)に使われてきました。また、家紋や蒔絵、和菓子などにも用いられています。

 源氏香は香道から生まれた「組香(くみこう)」の一種です。五種類の香木を、それぞれ五包ずつ、合計二十五包用意します。その二十五包を混ぜ合わせてから、任意の五包を選びます。
 選んだ5包を、順番に香炉で焚き、その香りを聞いていきます(香道では「香りを嗅ぐ」ではなく、「香りを聞く」だそうです)。選んだ五包の香りを言い当てる楽しみ方です。

 図の描き方は、一炉聞くごとに、右側から縦線を引いていきます。そして、同じ香りだと思う縦線同士は上部を横線でつなぎます。例えば、冒頭の図で説明すると、一番目の炉と四番目の炉が同じ香り、三番目の炉と五番目の炉が同じ香りなので、三種類の香を使っていることを示しています。

 このようにして出来る組香の図は五十二種類あります。出来た組香の図を「源氏物語五十四帖」の第一帖と第五十四帖を除いた五十二帖に当てはめたので源氏香と呼ばれるようになりました。
 冒頭の図の時は、「一番目と四番目が同じ香り、そして三番目と五番目が同じ香り、二番目は違う香り」と答えるのではなく、「第十六帖 絵合せ(えあわせ)」と答えるのです。

 古人の感性と教養の高さには頭が下がります。自身の着物や帯に描かれた源氏香を調べて、これは「空蝉」で、これは「松風」・・・なんて、周りの人に教えたら・・・あなたの株が上がるのでは。

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