コラム

 公開日: 2016-07-20  最終更新日: 2016-08-26

現代につながる着物の帯、及び帯の結び方は平和文化の象徴

以前、帯締め、帯揚げのコラムで「お太鼓結び」の歴史について述べましたが、改めて帯と、帯の結び方について述べたいと思います。

古い時代の帯は紐状の細帯でしたが、江戸時代に入って、戦のない平和な時代が続き、人々の生活が豊かになるにつれ、帯は幅広のものに変わっていきました。

そのために、帯の結び目は異常に大きくなり、足元が見えづらい、働くときに邪魔になるなどの理由から、前で結んだ帯の結び目を後ろに回すようになりました。

 江戸時代の歌舞伎役者が舞台で新しい帯結びを披露すると、すぐに若い女性が真似をして、「吉弥結び」など、様々な帯結びが流行しました。

 そして、今から190年ほど前の文政年間に、亀戸天神の太鼓橋の渡り初め式で、粋な深川芸者衆が揃って、太鼓橋に似せた帯結び姿で渡りました。やがて、この「お太鼓結び」は日本中に広がっていきました。
 また、一方、「お太鼓結び」の人気に刺激され、様々な帯結びが考案され、いまでは300種類以上にもなるそうです。

 体の前ではなく、背面を飾る帯は、自分のためではなく、周りの人に見せるために発達した「和の文化」、そのものといえるでしょう。また、単なる衣装と考えると、不要とも思えるほど幅広く、長過ぎる帯、大きすぎる結び目、そして、その結び方は、戦争のない時代が長く続いたからこそ発達したのです。

 ですから、現代に続く着物文化は、戦争を嫌う「平和文化」とも言えるのではないでしょうか?

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