コラム

 公開日: 2016-05-27  最終更新日: 2016-08-26

源氏物語を本友禅で染める東矢千嘉子という友禅作家を知っていますか?

 まず、なぜ、友禅の頭に「本」を付けるのかと言うと、現在の友禅はプリント染め、インクジェット染めなど、本来の友禅と呼べないものがほとんどになっているからです。

 友禅染は江戸の元禄期に完成されたと言われています。今、NHKの大河ドラマ「真田丸」をご覧の方は良く分かると思いますが、それまでの模様染めは、「絞り」、「辻が花染め」が主流でした。

 友禅の魅力は、第一に様々な色を使い、一枚の絵のような花鳥風月が描かれる華やかさです。江戸時代になり、戦争のない平和な時代が続き、町人文化が起こった元禄期。人々は、より華やかな着物・友禅を求めました。それは、あたかも、太平洋戦争が終わり、平和な時代になり、人々のあこがれがはラジオや白黒テレビからカラーテレビに移った時と同じだったのではないでしょうか。

 第二の魅力は、描かれる模様の自由度です。絞りなどに比べ、より写実的な模様が描け、また、一枚の着物に物語や周りの人へのメッセージを込められるようになったのです。例えば、松竹梅紋様が結婚する二人への祝福を表すように、心を言葉にしなくても、形で表す、日本独特の文化が発達したのです。

 残念ながら、今では、本物の友禅・本友禅は1%ほどしか流通していません。消えゆく運命なのかもしれませんが、今、一度、本友禅の魅力を見直してみませんか?

 京都に、下絵から染めに至るまで全工程を自分一人で手掛ける本友禅作家・東矢千嘉子(とうや・ちかこ)さんがおられます。そのため、価格も他の本友禅に比べると半額から三分の一ほどです。

 東矢さんの作品、染帯54点・着物20点が源氏物語ミュージアムに収蔵されています。 東矢さんは、残りの着物34点を完成させることを生涯の目標にし、今日も、本友禅の仕事にがんばっておられます。

 しかし、東矢千嘉子さんは言います。「私はミュージアムに展示するために本友禅を描いているわけではありません。一人でも多くの女性に本物の友禅を身に付けて欲しくて描いているのです。」と。

当店のホームページはhttp://www.orieya.com/

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