コラム

 公開日: 2016-02-02  最終更新日: 2016-04-17

悲しくも美しい沖縄紅型

 南国の太陽の陽射しに負けないように、色鉱石を砕いた顔料を使い、赤、青、緑、黄、紫の鮮やかな色彩が不思議に調和し、お互いの色が映える沖縄紅型。

 琉球王朝の婦女子の衣装として発達した紅型ですが、17世紀初めに、薩摩藩に侵攻されからは、江戸幕府への献上品として重宝されました。皮肉なことに、過大なノルマを課された島民の辛苦の歴史によって、その染は驚異的にレベルアップしていきました。

 明治政府の廃藩置県により、琉球王朝が無くなり、紅型は最も大きな顧客を失ってしまい、急速に衰退し、消滅の危機にありました。やがて、民芸運動の柳宗悦(やな・ぎむねよし)らによって、沖縄唯一の染め・紅型が再発見され、日本本土で紅型ブームが起こりました。

 しかし、先の大戦で紅型工房も壊滅的な打撃を受けました。そんな中、先人の技術を消してはならないと、紅型宗家・城間家14代栄喜氏は、米軍のゴミ捨て場をあさり、鉄くずで型紙を彫る小刀を作り、銃弾の薬きょうを糊筒の口金にして紅型染を続けたそうです。

 また、ハケには女性の髪の毛が使われ、芭蕉布や麻布に染めるときは若い女性の女性の髪の毛のハケを、絹布を染めるときは年配の髪の毛のハケが使われるそうです。

 そんな歴史があるから一層、沖縄の紅型は身に着けるだけで、また、見るだけでも癒されるほどの美しい魅力があるのでしょう。
 
 しかし、近年、本土の業者の依頼で作られた、一部工程を抜いた手抜き商品が、消費者に何の説明もなく売られているのは悲しいことです。

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