コラム

 公開日: 2015-09-28  最終更新日: 2016-08-26

大島紬は鹿児島県奄美大島が発祥の地です。

 実は、現在の大島紬は厳密にいうと紬ではありません。

 大島紬は、古くは手紡ぎ糸を芭蕉糸で括った絣を使い、地機で織っていましたので間違いなく紬でした。しかし、明治時代に入り、大島紬の人気が高まり、需要に供給が追い付かなくなりました。
 
 明治40年ごろ、永井伊栄温という人が締機(しめばた)という画期的な絣締め技法を開発しました。この技法は、絣糸を綿糸で織り締めて作ります。大島紬は二度織ると言われる所以です。

 しかし、この締機の技法で紡ぎ糸を絣糸に使うと、はっきりした絣が出ません。そこで、紡ぎ糸ではなく、生糸の弱撚糸を使うようになったのです。

 紡ぎ糸の代わりに生糸を使うことで、世界最小の緻密な絣模様の織物が織られるようになったのです。また、紬特有の厚みのある生地ではなく、薄くて軽い大島紬を織ることが可能になったのです。

 
 大島紬は奄美大島が発祥の地ですが、現在では、奄美大島、鹿児島、宮崎で織られています。この三つの産地の大島紬が本場大島紬です。それぞれの証紙は、奄美大島が地球儀印、鹿児島が国旗印、宮崎が鶴印です。

 戦前までは、大島紬は奄美大島でしか織られておらず、国旗印が大島紬の証でした。しかし、戦後、奄美大島は沖縄と同じく、アメリカの占領地になっており、国旗印は使用できなかったのです。そこで、地球儀印を新たな証紙にしたのです。それまで使われていた国旗印は、奄美大島から鹿児島に疎開した人々が使うようになったのです。

 1953年12月25日に、本土復帰するまで、米軍政府を動かし、資金を受け、原材料を本土から輸入し、大島紬の火を消してはならずと、守り続けた先人たちの熱意に感動です。


 奄美大島の先人たちのDNAを受け継ぎ、奄美大島特有の鉄分を含む泥田で染めるから、大地の温かみを感じる泥染大島が生まれるのですね。大島紬にまつわる物語を知ってから、選んだり、着たりすると、また一層、大島紬の魅力が増すことでしょう。

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