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歴史ある日本の“着物文化”を伝える伝道人(2/3)

松山和年 まつやまかずとし

まずは“着物文化”を知ってもらいたい

 幼い頃から着物への憧れがあったという松山さんは、19歳のとき、貯めたアルバイト代で念願の着物を購入。大学卒業後は迷うことなく大手呉服屋チェーンに就職し、現在に至るまで呉服業一筋でやってきました。

 そんな根っからの着物好きの松山さんの名刺の肩書きは“伝道人(つたえびと)”。「着物の作りや柄には一つひとつ歴史や意味があるんです。例えば、雪輪の紋様。雪の結晶ですが、よく見ると実は完全な“円”には描かれていません。完全な円は“完璧”を意味するため、月の紋様でも決して満月が描かれることはありません。これには自身を“まだまだ未熟なもの”とする日本人の謙虚さや奥ゆかしさが表れています。紋様一つにも深い意味があるのが着物。こうした知識を“知らない”ために近寄りがたさを感じている人も多いと思います。着物ってこんなに深い意味があって面白いんだよ、ということをたくさんの人に知ってもらいたいんです」

 店の一角に構えられた「純国産 絹コーナー」にもこんなエピソードがありました。絹糸は戦前まで日本の輸出のほとんどを占めており、日本の近代化を底上げした貴重な存在。しかし現在、着物に使われている絹糸のうち純国産はわずか1%。「着物が日本を代表する文化ならば、材料である絹糸も切り離せないものでしょう。現在日本に絹糸を生産する製糸工場は2つだけ。貴重な文化だからこそ残し、消費者に伝えていきたい」と、松山さんは語ります。

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